建設中の現場を訪れたらチェックすべきポイントと、「よくない丸投げ」の見分け方

建設中の現場を訪れたらチェックすべきポイントと、「よくない丸投げ」の見分け方

千葉で注文住宅を建ててもらう工務店の候補の絞りこみ方」にも書きましたが、建築中の現場を見せてくれる工務店は、それだけで、なんとなく信用できそうな気がしますよね。
でも、せっかく現場を公開していたとしても、その現場がどんな状態か、足を運んでみないと、まだわかりません。

現場が汚い工務店には、あなたの注文住宅は任せられません

もし現場に行ってみて、床がタバコの吸い殻やゴミだらけだったり、廃材や工具類が散乱していたりしたら……みなさんはどう思いますか?
「ある程度は仕方ないんじゃない?」
そう思ってくださるような寛大な方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
でも、現場が汚い工務店は、それだけで避けたほうがいいと私は思います。
なぜなら、その理由は、現場が汚いということは、それだけ現場に神経をつかっていないという証拠だからです。
現場に気をつかわないということは、自分たちが建てている家にも思い入れをもっていないということになりますよね。
また、現場に気をつかわないような職人や現場監督が、近隣のご家庭にまでちゃんと気を配っているとは、ちょっと考えられないですよね。
たとえば、近隣のご迷惑を顧みずに、夜中まで工事の音を響かせていて、もしクレームになったりしたら、住み始めてからご近所の方々と気まずくなってしまいます。

それだけではありません。
現場が汚いと、やはり作業の効率も落ちるのです。
現場が汚いということは、ゴミや廃材が落ちているというだけでなく、工具や材料が決まった位置に置かれていないという状態です。
整理整頓がきちんとできていないと、
「あの工具はどこにいった?」
「ここに置いたはずの釘が見あたらない」
などと、何かを探すムダな時間が発生して、それだけ作業効率が落ちてしまうのです。
作業効率が落ちれば、作業時間が余計にかかることになります。
それでも工期だけは間に合わせようとしますから、そのために丁寧な作業をしていられなくなることでしょう。丁寧な作業をしようと思ったら、工期を延ばさなくてはならなくなります。

もっと悪いのは、現場で事故が起きやすくなることです。
現場という場所は、工具や釘など、扱いをまちがえると危険なモノがたくさんあります。
現場の整理整頓、清潔を心がけなければならないのには、そのような意味みあるのです。

「現場が汚い」ということには、これだけ多くのマイナス面を想像することができるわけです。
現場の汚い工務店には、やはり安心して家づくりを任せることはできません。

基礎打ちの現場で確認すべきポイント

ほかにも、現場に足を運んでみたらチェックすべきポイントをいくつかあげてみましょう。

まず、基礎のコンクリートです。
これはタイミングがなかなか難しいのですが、雨が降っているのに基礎を打っている(コンクリートを流し込んでいる)ような工務店は、要注意です。
コンクリートの強度は、コンクリートに混ぜる水との比率によって決まります。
水が多すぎると強度が落ちてしまいます。
ですから、雨の日に基礎を打つのはあまりよくないわけです。

もちろん、現場で作業をしているのは家づくりのプロ中のプロですから、水とコンクリートの関係など重々承知の上のはずです。
もしかしたら、工期が遅れ気味で、作業を急いでいるのかもしれません。
職人がそのような判断をして基礎を打とうとしたら、現場監督がきちんと止めないといけません。
現場監督が正しい判断をできず、現場の職人をきちんとコントロールできないような工務店は、やはり避けたほうが無難なのです。

基礎に関連して、もうひとつポイントをお教えしましょう。
何回か現場に足を運んでみないと確認できないかもしれませんが、基礎を打ってから柱を立て始めるまでの日数にも注意しておきましょう。
基礎を打って、すぐに柱を立て始めるような工務店は、要注意です。
通常、柱は、基礎のコンクリートがある程度固まってから立て始めるものです。
その間、夏場で中3日、冬場で中5日くらいでしょうか。
そのくらいの日数をおかないと、基礎の強度が十分に出ていない上に家を建てることになってしまうのです。
「あれ?基礎を打っていたのは昨日だったけど、もう柱を立てるんだ…」
そんな工務店は、家の強度のことをよくわかっていないか、工期のために適切でない家づくりをしていることになります。

現場を1か月も雨ざらしにするような工務店はNG

もし現場に何回か足を運ぶことができれば、こんなこともチェックしてみてください。
それは、柱が立ち始めてから、壁の下地の防水シートや窓、そして屋根のルーフィング(屋根の防水のための下地)といった囲いができあがるまで、何日ぐらいかかっているか、ということです。
こちらは、モタモタしていないかどうかという意味です。
ちゃんとした工務店なら、1~2週間くらい、早いところなら3~4日で囲ってしまうでしょう。
囲いを急いで完成させることのメリットはいろいろありますが、主には「雨対策」といっていいでしょう。
防水シートやルーフィングがない状態では、家の中が雨ざらしになってしまうのです。
ですから、柱が立った後にすぐ囲いが完成しても、
「いやに早く囲いができたけど、手を抜いているんじゃないか?」
勘違いしないであげてくださいね。
じつは、工務店としての企業努力で、なるべく早く囲いを作っているんです。
逆に、1か月も2か月も現場を雨ざらしにしているような工務店のほうが、信用できないことになります。

問題ない「丸投げ」と、よくない「丸投げ」

家を建ててもらうべきなのは大手ハウスメーカーか、それとも中小の工務店か?」という記事でも紹介しましたが、今の建築業界では、「外注」は当たり前のことになっており、ハウスメーカー → 一括協力工務店 → 地元工務店や職人さんというように、工事を下請けに出しています。
元請けした会社の中には、お施主様から請け負った工事を下請けの工務店に丸投げしているところもあります。
丸投げ……この言葉が使われるときは、だいたい悪い意味で使われていますよね。
住宅業界でも、もちろん、いい言葉ではありません。

でも、ここで、誤解のないようにちょっと補足しておきますね。
注文住宅を建築するのに「丸投げしている」といったら、どういう状態を想像されるでしょうか。
自分たちが住む家を建てる作業を、下請けの職人さんたちに任せることでしょうか? 
じつは、営業、設計、現場監督は自社の社員が行い、現場で家を建てる作業は下請けの職人さんたちに任せている工務店は、意外に多いんです。
「家を建てる作業を自社でやらない」=丸投げ、としてしまうと、大手住宅メーカーも含め、大半が丸投げしていることになってしまいます。

では、どういう状態が、悪い「丸投げ」と言えるでしょうか。
私は、現場のことを何も把握しておらず、すべてを下請けの業者さん任せにしているような工務店のことではないかと思います。
工務店の側では現場監督も出さず、元請けとして現場を指導できず、現場を把握していないような状態は、よくない「丸投げ」と言えるでしょう。

そういう、「よくない丸投げ」が多いのは、不動産屋さんの物件です。

「建築条件付き土地」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
これは、「この土地を買った場合、家を建てるときは○○建築会社、あるいは自分たちが紹介する工務店にしか頼めません」という条件をつけられた土地のことです。
これを業界では「紐付き」などと呼びます。
この不動産屋さんは、土地を売って工務店を紹介するだけ。
もちろん、現場監督を出したり、現場を把握するようなことはせず、家づくりに関してはまったくのノータッチです。
ただ、契約した金額から何パーセントかを差し引いて、あらかじめ自分たちが契約した工務店に、
「この金額で工事をお願いします」
と渡しているわけです。
これが、不動産屋さんが入っている場合の典型的な丸投げです。

ただし、こういった「不動産屋さんの丸投げ」にもいろいろとありますから、必ずしもそれが全部悪いともいえなません。
その理由を次に説明しますね。

工事を「丸投げ」、どんな場合に問題なのか

そもそも、家を建てるのに、「丸投げ」のどこがそんなに悪いのでしょうか?
まず考えられるのは、不動産屋さんから下請けの工務店への工賃が不当に少ない場合、それはおそらく家のクオリティに反映される、つまりクオリティが落ちるおそれがあるという点です。
手間賃が安いぶん、品質の落ちる安い材料を使ったり、作業にも熱が入らず、その結果、「それなりの建物」になってしまうということです。
なにか具体的に決定的な手抜きをするというよりは、安くて割に合わないから、それほど熱心に作業してくれないということですね。
目に見える欠陥がなければ、それでもいいかもしれません。
でも、「丸投げ」のいちばんの問題は、責任が誰にあるのかよくわからなくなる、ということなんです。

たとえば、その家の保証は、元請けである不動産屋さんがするとします。
下請けの工務店では、安い手間賃で請けたので、安い材料を使ったり、あまり丁寧に作業しなかったりした結果、その建物に住み始めてから何かしらの欠陥が出てきたとしましょう。
そうした場合、その欠陥の責任は、一体誰がもつのでしょうか。
保証をしている不動産屋さんですよね。
不動産屋さんでは、もちろん自分では修理できません。
そこで、その家を建てた下請けの工務店に修理させようとするでしょう。
それで万事OKかというと、そうでもないのです。
その下請けの工務店が、その後、つぶれてしまっていたらどうなるでしょう、
もしくは、その不動産屋さんとの契約を解消してしまっていたら?
そんな場合、責任のなすり合いになってしまい、話し合いが長引くことになります。
何も知らないお施主様は、その間、欠陥を我慢してその家で暮らし続けなければなりません。
結局、お施主様が、いちばん損をしてしまうということになってしまいがちなのです。

不動産屋さんによっては、
「請負はやりません、工務店は紹介だけですよ」
というところもあります。
お施主様は、不動産屋さんから工務店を紹介されて、直接その会社とやりとりをする。
不動産屋さんは、その工務店から紹介料だけもらって、あとは本当にノータッチになります。
こんな形のほうが、むしろお施主様にとっては、責任の所在が明確になりますから、安心して家づくりを任せることができます。
工務店としても、直接依頼をくださったお施主様からクレームがこないように、一生懸命、作業をします。
こんな場合は、「丸投げ」といっても、問題はないでしょう。
丸投げが全部悪いともいえないというのは、こうしたケースがあるからです。
工務店が納得できる工賃や手間賃で、責任の所在もはっきりと工務店にあることが明確になっていたりすれば、たとえ「丸投げ」という形でも、問題は起きないのではないでしょう。