住宅建築に関わる人々の呼び方と役割

住宅建築に関わる人々の呼び方と役割

家づくりの現場に行ってみると、様々な職人さんがいて、住宅の建築が徹底的に分業化されていることに気づくことでしょう。

もし、お子さんがいらっしゃったら、建築現場を見せてあげるのも勉強になると思います。
ちなみに、菅谷工務店では、いつでも、そのようなリクエストにも対応していますので、ぜひ、お気軽に「現場を見たい」と言ってくださいね。

注文住宅の建築に携わるどの職人さんにも、他の職人さんには真似できない得意分野があり、それぞれが毎日自分がやるべき仕事に集中しています。その道では他分野の人には絶対に負けないプロフェッショナルばかりです。
住宅建築の現場には、プロだけが持っている質の高い様々な智恵が集まっているのです。

ここでは、現場にいる代表的な職人さんの呼び方と役割を紹介しますが、呼び方については現場や地域などによって様々で、おおむね、職種を「さんづけ」で呼んでいる場合が多いと言えます。

住宅建築の三役とは

まず、住宅の建築工事で重要とされる職人さんを紹介しましょう。この職人さんたちは、大相撲の三役(大関・関脇・小結)にちなみ、住宅建築の三役と呼ばれています。

とび(鳶)

主に高所作業を専門的に行う職人さんです。とびは、最初に現場に入ります。
足場を組む「足場とび」、鉄骨などを組み立てる「鉄骨とび」などがあります。
建築現場で働く職人の間では、とびは「現場の華」と呼ばれて尊敬を集めています。これは高所を華麗に動き回る姿が何より恰好いいからです。

大工さん、棟梁(とうりょう)

建築物の木工事を行う職人で、木材や建材の加工や取り付けを行います。古くは建築技術者の職階を示しており、木工に限らず、各職人を統率する長のことを大工さんと呼んでいました。この大工さんたちを統率しているのが棟梁。大工さんの職長・親方で、木造建築物の采配を行う責任者です。
棟梁という言葉は、もともと、集団の統率者を指す言葉でした。歴史でも習う「征夷大将軍」というのは、武家の棟梁のことを指しています。
かつては、家づくりは丸ごと棟梁が請け負い、各下請け業者の束ねも行っていました。建築基準法ができる前までは、大工さんが建築設計士であり、現場監督であり、積算者であり、渉外者であり、職人であり、そして経営者としてそれらをすべて兼ね備えていました。
が、今では工務店やハウスメーカーが請け負い、大工さんたちは下請業者として工事をしています。
戸建て住宅の大工さんの仕事は家を建てる作業全般にわたり、型枠を作ったりといった、ちょっとした小仕事もこなしてくれます。細かく分類すると、構造材を組み上げる「建て方大工」、造作仕事をする「造作大工」などがあります。

鉄筋職人さん

鉄筋コンクリートの骨組みを図面通りに組み立てていく職人さんのことです。鉄筋は現場で作るのではなく、建物に合わせて工場で加工されたもので、それを現場に搬入するのもこの職人さんの仕事です。

基礎工事関係の職人さん

墨出し屋さん

住宅建築の施工が始まる前の更地で、測量・墨付けを行う職人で、建築測量と呼ばれる仕事をしています。測量機器を使って、建物の位置出し(これを墨出しといいます)を行ったり、鉄骨の歪み直しや基本となるポイントの位置だしなど、重要な作業を担当します。墨出し屋さんが引いた線が現場の基準となり、あらゆる職人がその線を指標に作業していくいとになります。

電気屋さん

電気設備の職人さんではなく、鉄骨柱の上下接合や、梁と梁の接合のために、半自動溶接機などを使って現場溶接を行う職人さんです。普通の人が想像する電気設備の職人さんは、電工さんと呼ばれ、電気設備や電気配線、コンセント・配電盤などの取り付けを行うのが仕事です。電工さんの工事は、電気工事士の資格がないとできず、資格取得をサポートする会社の社員であることが多いです。

デッキ屋さん

角波形に成形した、薄くて幅の広い鋼板をデッキプレートと言い、このデッキプレートの上にコンクリートを打ち、型枠を兼ねた床の下地材として使います。デッキ屋さんは、デッキプレートを敷き込み、固定溶接する職人さんです。

屋根屋さん

瓦・スレート・金属板などの屋根を葺いたり、屋根断熱工事などの高所作業を行うのが屋根屋さんです。金属系の屋根葺きは、外壁工事も行う建築板金職人が施工することもあります。建築板金職人は雨仕舞い(雨水処理)のスペシャリストでもあります。また、屋根屋さんの中には板金・外壁工事まで行う場合もあります。

外装関係の職人さん

左官屋さん、タイル屋さん

主にタイルの下地や廊下の下地、コンクリートなど、建物の壁や床、土塀などをコテを使って塗るのが左官屋さんの仕事です。「しゃかん」という呼び方もあります。平安時代には宮中の土木工事部門へ属(さかん)し、出入りが許されていたことから、「さかん」と呼ばれるようになったそうです。
かつては、左官屋さんもまた大工とともに主要な職人でしたが、近年は左官工事は急速に減少しています。
また、タイル職人は外壁や、トイレ・バス・キッチンなどの水回りの床・壁にタイルを張るのを仕事にしています。モルタルなどの下地に接着剤を用いてタイルを敷きつめていきます。タイル職人さんの仕事はレンガ工事から派生したと言われますが、作業の内容から、左官屋さんがとタイル職人も兼ねる場合もあります。

塗装屋さん

主に建築物にペンキなどを塗っていくのが仕事です。建物の天井・内壁にペンキを塗ったり、外壁を洗浄して仕上げをしていきます。一般的な建築塗装の他に、鉄骨塗装・プラント塗装といったジャンルがあります。
塗装方法や塗料は、何の材質に塗装を施すのかということによってまったく異なります。塗装屋さんはそういうことに関する知識を豊富にもっています。リフォームを行う際は、既存の塗料を落としたり傷を補修する作業なども塗装屋さんの仕事になります。

石工

「せっこう」ではなく「いしく」と読みます。玄関や廊下、エントランスなどの壁・床などに石を張る職人さんです。墓石・仏像・石灯篭・玉垣などの加工を行う職人もいます。

軽天職人

壁や天井の下地などを軽量材で作る職人。下地材の鋼が薄くて軽いため、軽い天井を造作する職人だから軽天工と呼ぶのだそう。

植木屋さん

樹木や石材などを含め、庭全体の設計・施工・管理を行う職人。庭師ともいいます。一方「植木屋」は、樹木に関する専門家。一般的には、庭木の剪定のみを行う職人です。

設備関係の職人さん

設備屋さん

設備職人は住宅の基本的な設備となるトイレ、浴室、洗面所、台所などの水道設備や電気スイッチ、コンセントプラグといった電気設備、キッチンのガスコンロや換気扇などの設備を担当します。インターホンなどの住宅設備も、設備屋さんの担当になります。

ユニットバス屋さん、キッチン屋さん

工場などで成型したシステムキッチンやユニットバス、洗面台を現場で組み立てて、所定の場所に据え付ける職人さんです。メーカー認定の資格・免許が必要な場合があります。

サッシ屋さん、ガラス屋さん

ドアや窓の枠・扉・水切り・金物などを取り付けるのが仕事です。サッシ工法は何種類もあり、現場によって使い分けられています。窓枠のサッシ以外にも、防火扉、ドアノブやドアクローザー(ドアの開閉速度を調節する部品)などの取り付けもサッシ屋さんが行いますので、家づくりにおいてとても重要です。
ガラス屋さんは新築の際に窓ガラスを取り付けたり、ガラスが割れた際のガラスの交換などを行います。大きな鏡などを取り付ける場合も、ガラス職人が行います。サッシ屋さんとガラス屋さんを兼業しているケースが多いようです。

水道屋さん

水道屋さんはトイレ、浴室、洗面所、台所などの水回りに関する配管の施工を担当する職人さんです。破損などのトラブルが起こった際の修繕やリフォームなども行い、その作業内容は幅広いです。

配管工

給排水管・ガス管・空調設備などの屋内外配管工事を行う職人さんです。

内装関係の職人さん

ボード職人

壁や天井の軽量材や木軸の下地に石膏ボードを張るのが仕事の職人さんです。

シール職人

外壁の目地や、サッシまわりの隙間を、ウレタンやシリコンで埋めていく職人さんです。「シーリング職人」「コーキング職人」などとも呼ばれます。

家具職人

家具屋さんで販売している家具を作る職人さんではありません。造り付け家具の据え付け工事をする職人さんです。こういった仕事はかつては大工仕事のひとつとして、大工さんが行っていましたが、今は分業されているケースも多く見られます

クロス屋さん、フローリング屋さん

クロス屋さんは内装の中でも壁紙(クロス)などを張るのが仕事です。壁・天井にパテを塗り平らにしてから、やすりをかけてその上に壁紙を張って仕上げます。
床を張るのはフローリング屋さんの仕事です。フローリングだけでなく、フロアタイル、クッションフロア、カーペットなど様々な場合がありますので、幅広い知識が必要です。

建具屋さん

ふすまや障子、ドア、戸などを建具と言いますが、これらを作るのが建具屋さんです。木製の建具以外にもサッシなどの建具も取り扱う場合もあります。

ダイノック職人

建具や家具、キッチン、浴室など様々なところに張られる、本物の素材の質感を再現した粘着剤付きの印刷化粧フィルムをダイノックシートと呼びますが、きれいにダイノックシートを仕上げるには熟練の技術が必要となります。ダイノック職人は、ダイノックシートを張る専門の職人で、内外装さまざまなものの施工を担当します。

幅木職人

床と壁の見切り材を幅木といいますが、これを取り付ける職人さんです。

手すり職人

手すりを専門に取り付ける専門の職人さんです。

引き渡し前の仕上げをしてくれる職人さん

産廃屋さん

工事によって大量に発生する産業廃棄物を回収します。建築物の建て替えなどでは必須の職業です。

補修職人

内装、外装にかかわらず、作業時についてしまった傷やへこみなどを直す専門の職人さんです。

洗い屋さん(ハウスクリーニング職人

引き渡し前に最後の仕上げ作業をする職人さんです。清掃が終わると床全体をワックスで仕上げ、各備品の動作チェックなども行います。

住宅建設の職人さんまとめ

 
いかがでしょうか。
あまりに多くの職人さんがいるので驚かれる方も多いと思います。
住宅ができるまでには、これらの職人さんが入れ替わり立ち代わり現場にやってきて、作業をしていく中で、少しずつ家が形となっていきます。
最後に、家づくりを依頼する人は、「建築主」「建て主」などとも呼ばれますが、伝統的に「施主」と呼ばれます。
また、職人さんではありませんが、現場には、現場監督と呼ばれる人がいます。
現場監督は、工事現場の陣頭指揮をとる役割の人です。工事を実施するための施工計画を作成したり、工事の工程、品質、技術の管理を行い、作業に従事する人の技術指導を行うことが仕事です。このため、数多くの職人さんとのコミュニケーションをとることも現場監督の仕事です。工事現場では作業の指揮を取り、工事による騒音のクレーム処理などにも対応し、作業後にはデスクワークをするなど、とても忙しい人ですが、施主として、大変頼りになる人になります。
多くの職人さんの匠の業と、現場監督のたゆまぬ努力に敬意を表したいと思います。

※呼び方には、あくまでも現場で慣例的に呼ばれている名前が含まれていますが、ご了承ください